海街diary(1)/吉田秋生
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: コミック
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吉田さん、やっぱりいいなあと思った。ときどき、ものすごくいい言葉がある。ずしんと胸にくるような。初回の長女の言葉もそうだし、二話の最後のフレーズもそう。あたりまえのことなのだけれど、日々の生活のなかですっかり忘れてしまっていることに、はっと気づく。家族の再生物語、らしいのだけれど、なんか違う。たしかに、家族を題材にした物語なのだけれど、再生を望んでいるかと言えば、そうではなくて。ただ、淡々と描かれる日常に、思わず涙してしまうのだ。あいかわらず、人間の心理描写がうまい。コンプレックスや劣等感なんかの、ひねた感じを描かせたら秀逸。蝉時雨のなく頃が、いちばんよかった。吉田さんお得意の、年のわりに大人びた子供である四女が、次第にわがまま?というか、自分を出して子供っぽくなっていく姿に、なんだか救われる気がする。