マリー・アントワネット

trifle2007-02-01

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映画の日に仕事が早くあがれたのはなにかの運命では!と思って見てきた。レイトショーなわりに結構人がぎょうさんいてはったのは、やっぱり映画の日効果なのか。
ソフィア・コッポラが大好きなので、めっちゃ楽しみにしてた。世界観とかキュートさとか色遣いとか、大好きなんです。もともとMILK FED*1が好きやったので、そのデザイナーさんが映画を撮らはるなら!って感じで「ヴァージン・スーサイズ [DVD]」を観たら、やっぱり好きなデザイナーさんだけあってその世界を好きになって。映画館の大きなスクリーンに映る「ヴァージン・スーサイズ*2のヴィジュアルのすべてがとろけそうなぐらい甘くて。そうゆうわけで、ちょっと期待してました。
ストーリー自体は、有名なお話なので知っているのだけれど。見ながら何度オスカル様!と思ったことか。やっぱり「ベルサイユのばら」を思い出す。マリー・アントワネットであるけれど、歴史で習ったマリー・アントワネットのことをあまり考えないほうが楽しめる。一人の少女が笑ったり悩んだり恋をしたりしながら大人の女性に成長していくお話と思ったほうがいい。歴史どおりではあるけれど、また別のお話。マリーの心の機微を描いた作品として認識してようやくソフィアの世界に入っていける感じ。歴史物が見たくて観に行ってたらきっとおもしろくないだろうなと思う。見終わったあと一番最初に感じたことは、賛否両論だろうなあということ。ソフィア・コッポラという監督を理解して観ていれば楽しめただろうし、ソフィア?誰?と思った人はきっと楽しめない。映画の至るところに登場するお菓子や、ロックな音楽、イギリス英語とアメリカ英語のごちゃまぜ感、なによりもフランス人でない出演者たち。それを受け入れるかどうかがこの映画を楽しむカギだろうな。ソフィアを好きで知っていれば、なんてソフィアらしいんだろう!って逆に嬉しいぐらいなのに、知らなければすべてが映画にそぐわないと思うかもしれない。カンヌでブーイングが起こったらしいのだけれど、それもなんだか納得。
映画のすべてがソフィアらしい。ワンカットワンカット、写真のような描写。現代感を盛り込んだ衣装とお菓子。時代を無視したロックな音楽。破天荒なキャスティング。すべてがキャンディーカラーで演出されていて、ソーキュート!と思う。もちろん英語で。この時代にあるはずもないものだらけなのに、なぜだかあまり違和感を感じない。マカロンも生クリームたっぷりのケーキもコンバースのスニーカーも。すべてが甘くてキュート。音楽もロックなのに、しっくりきてた。この時代にロック?!って思うかもしれないけれど、斬新でよかったなあ。それはやっぱりソフィアの映画だからなのだろうな。色とりどりで鮮やかな衣装も素晴らしい。見応えがあったなあ。靴マニアなので、やっぱり気になるのは靴なのだけれど、どれも可愛かった。どこのんやろ?きっとどこかと提携してはると思うんやけど。ファーのついたのがとくに可愛かった。華やかで豪華な室内装飾もうっとりする。フラワー、パステル、ピンク、スウィーツ、リボン、フリル、レース、女の子が大好きなものすべてがこの映画につまっている。ガーリーそのものがこの映画なんだと思う。
終わりがなんだか釈然としないのだけれど。ぐだぐだやったなあと思う。ギロチンがほしかったわけでもないし、マリーの最後を観たかったわけでもない。だけど、なんだか終わりは納得いきませぬ。そうゆうのは歴史にまかせてしまって、むしろおとぎ話かと思うぐらいソフィアらしさを出してほしかった。潔くもっと前の段階ですっぱり切ってしまったほうが、マリーの青春映画としてはおもしろかったのでは。前半の展開の遅さに比べて、後半の怒濤のようなテンポ。せっかく言葉少なめな演出にしたんだから、もっとマリーの心の内を描いてくれたらよかったのに。そうゆう映画を撮りたかったんじゃないの?最後は無理矢理つじつま合わせで史実を盛り込もうとした感じがする。まあ、この映画は理屈じゃないんやろうなあ。単純に感覚で観る。五感で感じる。そうゆう映画なのだと思う。だからこそ、男性よりも女性のほうがこの映画には好意的なのだと思う。