回転銀河(4)/海野つなみ

回転銀河(4) (KC KISS)

回転銀河(4) (KC KISS)

待望の4巻。でも、収録されている第16話で一応連載はストップらしいので、ちょっと残念。このシリーズ、けっこう好きやった。こうゆうオムニバス形式で、でもどこかでみんなつながっているという話を描かせたら、海野さんの右にでるものはいないと思うぐらい。とりあえず、描きたいことは描ききらはったらしいねんけど、ほんまに話ができたらまた続きを描いてほしいな。
3巻ですきだった双子の子の恋のお話とか、女子高の生徒と先生の恋のお話とか、女の子同士の友情のお話*1とか。なんだってそうだけど、ふたり仲良くいっしょにいられてしあわせ!っていうのがハッピーエンドってわけじゃないんだなあ。たとえ恋がうまくいかなくてもすごく好きで、相手にたいする自分の行動に後悔がなければ、それはそれでハッピーエンドでもあるわけで。恋なんて、うまくいくことのほうが稀だったりするようなものだし、きれいごとかもしれないけれど、自分が納得いく結果であればハッピーエンドなんだと思う。
最終話の『クエーサー』は、賛否両論だったという話を聞いていたけれど、たしかにそうなのかもしれない。このストーリーのまえにあたる『少年人魚』を読んで、和弥の恋はきちんと区切りがついたものだと思っていた。家族として先生を愛していくと決めたんだと。なので、母の死後もずっと好きでいるというのには、なんだかむうっと思ってしまったり。思っていたよりも『少年人魚』が強かったのです。手をつなぐシーンは、わたしもとってもすき。先生の手が意志をもって恋人つなぎにつなぎなおしたのを見て、なんとなくふたりの先を予感した。ほんとうにたった一度だけの先生からの意思表示やったんやなあ。あれって。でも先生っていつから和弥のこと好きやったんやろう。『クエーサー』は和弥視点で描かれていたので、先生が和弥のどこをいつ好きになったのかとかよくわかんなかった。一度、先生視点からも読んでみたいと思った。あとがきに書いてあったけれど、『少年人魚』よりも『クエーサー』のほうが先にできていたというのにはびっくり。まあ、おもしろかったんやけど、思うことはいろいろあって。だけどラストは、ちょっぴり幸せやけどちょっぴり不幸って感じそのものやったな。

*1:女の子の友情は、一種の恋だと思う