メゾン・ド・ヒミコ

trifle2005-09-19


犬童一心監督が好きなので、やっぱり観に行く。それに、昨日のオダジョーにもやられた。やっぱり、このひとはまっとうな青年じゃない役のほうがすてき。アカルイミライ*1のまっとうに苦悩する姿もよかったけれど、それよりもねじれながら苦悩する姿のほうがよいのです。とても色気があって、やっぱりすてきやなあ。卑弥呼田中泯)の圧倒的な存在感にも負けず劣らず、きちんと存在を示してたし。決して演技が上手というわけではないけれど、ふとした表情だとか放つオーラだとかが、視線を捕らえて離さない。どこか陰りのある役が、いちばん似合うし、いちばん上手だと思う。柴崎コウはほんとうにぶさいくなんだけど、かわいい。仏頂面がとても愛しい。決して華やかではないけれど、淡々とした描写がより想いの深さを演出しているようで。犬童さんは、ほんとうに不思議だ。とくにリアリティがあるというわけではないのだけれど、不思議とその嘘もすんなりと受け入れられる。感動の嵐、でもないのだけれど、静かにこころのなかにあたたかさが浸透してゆく、そんな映画だった。この作品の原点につるばらつるばら (白泉社文庫)があるのだと知って、なんだかうれしくもなったり。「好きよ」という言葉の重みを、再認識させられた。
近頃、関西のほうでは「天体観測」が深夜に再放送をしてるのだけれど、オダギリジョーのシースルーとベスト姿を見たいがために録画してみてます。でももう最終回。もう見れなくなっちゃうかと思うと、ちょっとさみしい。