キャンディーの色は赤。/魚喃キリコ

キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)

キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)

魚喃さんの久しぶりの新刊。4年ぶり?らしい。あいかわらずの魚喃さんらしい感じ。青くイタイ。刺々しくて攻撃的。それでいて、繊細ぶった。高校生の頃にはじめて読んで衝撃を受けて、それ以来読み続けているけれど、どうももう共感ができなくなっちゃってるなあ。感性としては、十代から二十歳くらいがもっとも揺さぶられるような。今となっては、ああーもう!って赤面しちゃうような。大人になったってことなんだろうと思う。なんだか読むと苦笑いみたいなものが溢れてきて。ガラスの上を歩いてたり、尖ったナイフと向き合ってるような感じが、今となってはよくわからない。共感とか感動とか、薄らいでるなあ。
でも、あいかわらずのリアリティのある孤独感だとか、じんわりと伝わる躍動感や、淡々とした刹那的な感情。切なくて苦しいんだけれど、ちょっぴり幸せ。フィルムのような描写が、魚喃さんの作品にはよくあっている。線が太くなってて、なんかちょっと違和感を感じる。華奢な感じが好きやったのにな。
昔は、「痛々しいラヴ (Mag comics)」がいちばん好きだったけれど、今は、「ハルチン (Mag comics)」。そして、そんなハルチン2がでるとか!久しぶりの新刊よりも、こっちのほうがテンションあがった。