酒ラボ/宇仁田ゆみ

酒ラボ (KCデラックス)

酒ラボ (KCデラックス)

わたしは宇仁田さんの恋愛ものよりも、ときどき書かはるこうゆうほのぼの仲良し系のほうが好きやったりする。宇仁田さんは、べったり恋愛を書くよりも、みんなで和気藹々を書くほうがうまいと思う。それでも、何気ない一言できゅんとなったり、にんまりなったり。宇仁田さんって、ときどきすごくツボにはまる言葉をくれる。知隼くんの「僕が100思ううちの50くらいしか彼女に伝わっていない気がする」という言葉、すげー青い。けど、きっとだれもが思ったような言葉。年を重ねるとぜんぶ伝わらないのもしょうがないって諦めちゃうというか悟っちゃうというか、理解するんやけど、あのころはそんなの思えなくて。伝えようとしてくれる姿が真摯ですてきなのに、ついつい結果を求めちゃったり。なんだか、そんなころのこと思い出して懐かしくなった。
わたしも理系で、卒設のときなんかそれこそ毎日のように徹夜とか泊まり込みとかしてて、読んでたらそうゆうことを思い出した。なかには、アワモリくんみたいに最後の最後までなにになりたいのかわかんない子もいたりして、すごくリアルな感じ。教授のまえで泣いちゃうとことか、すごく青いけど、自分が失ってしまった部分だとおもうとうやましくも思えたり。